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「つきまとわれて怖かった」視覚障害者の女性たちが困惑する“親切心” 「配慮のしかたにもマナーがある」
「白杖はものに当てて、存在の有無を確認しています。このことを広く知ってほしい」。ある視覚障害当事者はそう話します。
先日、都内の駅ホームで、視覚障害者の男性が暴行を受ける事件が起きました。多目的トイレで利用を待っていた男性が白杖(はくじょう)でドアを叩いたことに腹を立て、足で蹴ったと供述したと報じられています。背景に、白杖の使われ方が社会に知られていないことがあるとして、この事件は視覚障害当事者に深刻に受け止められているのです。
筆者はライターとして活動する他、視覚障害者による文字起こしやコンサルティングを行う会社を運営しています。日頃から視覚障害者たちの困りごとを聞き、驚かされることも多いです。白杖の使い方、白杖をもっているが故に巻き込まれてしまうこと。彼らがどんなことに困っているのか、話を聞きました。(「ブラインドライターズ」代表・ライター/和久井香菜子)
「iPhone」のロックを無断で解除して「捜査」に利用…法的に問題ないの?
米アップルのスマートフォン「iPhone」のロック機能を、日本の捜査当局が民間企業の協力を得て解除し、事件捜査に活用しているーー。共同通信が2月2日、こう報じて、物議を醸している。
広告は「ギガ放題」なのに「速度制限」、UQ側の賠償確定 代理人「業界全体の問題」
「速さもデータ量もギガヤバだ!」「追加料金なしで使い放題」ーー。
モバイルWi-Fiルーターなどを提供する「UQコミュニケーションズ」(東京都港区)の広告について、「ギガ放題」というプランを契約した男性が、実際には速度制限があったとして同社などに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(三浦守裁判長)が、同社と通信サービスの販売代理店「ラネット」側の上告を受理しないと決定した。決定は6月7日付。
「通信速度が高速であり通信料を自主規制する必要もないと誤解させる内容の広告表示を行った」などとして会社側の責任を認め、2万1239円の支払いを命じた東京高裁の判決が確定した。
高裁判決の内容については、「契約時の『録音』が決め手に…UQ『ギガ放題』広告に賠償命令」(https://www.bengo4.com/c_8/n_7853/)にまとめている。
「最高裁判所における訴訟事件の概況」によると、上告受理申立て事件の約7割が3カ月以内に不受理決定を受ける(2010年)のに対し、今回の事件は13カ月以上が経過してようやく不受理決定が出された。
原告側代理人の平野敬弁護士は「最高裁としても、内容面を含め慎重に検討したうえで判断したものとうかがえる」と話す。
虐待死を防ぐために「しつけと暴力は違う」「親のメンタル面のケアを」NPO団体が提言
今年3月に東京・目黒区で船戸結愛(ゆあ)ちゃん(5)が、両親からの虐待を受けて死亡した事件。結愛ちゃんは生前、朝4時に一人で起床し、ひらがなの練習をしていたが、そのノートに綴られた「もうおねがい ゆるして」という文章は日本中に衝撃を与えた。
児童虐待を防ぐために何をすればよいのか。「子ども虐待のない社会」の実現をめざして活動するNPO法人「児童虐待防止全国ネットワーク」の理事長・吉田恒雄さんに聞いた。(ライター・高橋ユキ)
少年法「適用年齢引き下げ反対」の意見書、犯罪被害者の支援団体が提出 「少年たちのチャンス奪わないで」
少年法の適用年齢引き下げをめぐり、犯罪被害者や遺族の支援をおこなっている団体「被害者と司法を考える会」は6月29日、18歳・19歳の非行少年への刑事訴訟手続きの拡大や厳罰化に反対する意見書を森まさこ法相、法制審議会長、少年・刑事法部会長あてに提出した。
提出後、同会代表の片山徒有さんは東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、「社会の中には、厳罰化をすすめたり、適用年齢を引き下げたほうが、犯罪が防げるという人がいることは知っています。しかし、少年法の理念は守らなければなりません」とうったえた。
検事長の定年延長、「検察の未来に禍根残す」と批判の声 どこが問題なのか?
東京高検の黒川弘務検事長(63)の定年延長をめぐり、波紋が広がっている。
人事院の松尾恵美子給与局長は、2月12日の衆議院予算委員会で、「国家公務員法の延長規定は検察官には適用されない」というこれまでの政府見解を「現在まで続けている」と述べていた。
ところが、その1週間後、同委員会で自身の答弁を撤回。1月22日に検察庁法を所管する法務省から相談を受けて、1月24日に「異論ない」と書面で返答したとして、「現在まで」を「1月22日に法務省から相談があるまで」に修正した。
野党は2月27日、過去の法解釈を無視して見解を変更したなどとして、森雅子法務大臣の不信任決議案を提出(その後、否決)。国会を揺るがす問題になっている。
検察庁法は、検事総長以外の検察官の定年を63歳としており(22条)、定年延長に関する定めはない。一方、国家公務員法は、退職により公務の運営に著しい支障が生じるなどの場合には、人事院の承認を得て、1年を超えない範囲内で定年延長ができると定めている(81条の3第2項)。
検察官が国家公務員であることは間違いないが、検察庁法に定められていない定年延長を国家公務員法で実現するという政府見解は、法的に問題ないのだろうか。荒木樹弁護士に聞いた。
ヤマト、未払い残業代「倍増」の可能性…裁判官が「変形労働時間制」不適切運用を指摘
ヤマト運輸の未払い残業代問題で、ヤマト側の支払い金額が大幅に増える恐れがある。全社的に「変形労働時間制」が適切に運用されていない可能性があるからだ。元ドライバー2人が未払い賃金をめぐり、ヤマトと争っていた労働審判の中で明らかになった。ドライバー側の代理人弁護士によると、人によっては残業代が2〜3倍になる可能性があるという。
変形労働時間制とは、労働時間を1日単位(8時間まで)ではなく、一定期間で考える手法。ヤマトでは労使合意で、1カ月単位が採用されている。月およそ170時間(週平均40時間)を上限に、10時間、6時間、10時間…といった風に勤務時間を割り振って行く形だ。通常10時間働けば、2時間の残業になるが、変形制で所定労働時間が10時間と決まっていれば、残業代は払わなくて良い(ただし、月の上限を超えた分などは支払い対象)。
しかし、労働審判の中で、この変形労働時間制の運用に問題があることが明らかになった。裁判官が不適切である旨の発言(心証開示)をしたのだという。実際、労働審判は今年3月23日に調停が成立。2人にとって、高い水準での合意になったという。
未婚の母、13年前に去った「父親」をフェイスブックで発見 「認知して」といえる?
未婚で出産し、一人で子育てしてきたシングルマザーが、音信不通だった「父親」をフェイスブックで発見した。子どもを認知させられないか――。そんな相談が弁護士ドットコムの「みんなの法律相談」コーナーに寄せられた。
この女性は13年前に男の子を生んだが、相手の男性は「逃げるかのように別れを切り出して」去っていったのだという。しかし最近になって、フェイスブックで男性を見つけた。その投稿をみると、「絵に描いたような幸せそうな人生」を歩んでいた・・・。
投稿者によると、当時の男性経験はその相手のみだという。子どもの戸籍を「空白のままにしたくない」ということで、その「父親」に認知をさせたいと望んでいる。
ただ、女性が出産したのは10年以上前のことだ。こうしたケースでも、「父親に認知してもらいたい」という要望は、認められるのだろうか。家族の法律問題にくわしい長森亨弁護士に聞いた。
脱走ゾウガメ「アブー」を見つけて懸賞金50万円! 税金を払わないといけないの?
8月、岡山県玉野市の渋川動物公園で脱走したゾウガメ・アブーが見つかり、発見者は50万円の懸賞金を手にする出来事があった。脱走動物の懸賞金は珍しいが、刑事事件でも指名手配犯の情報提供に対する懸賞金には、数百万円規模のものもある。
変わったところでは、新潟県糸魚川市では有志により、市内で目撃情報のある伝説の生物、ツチノコには1億円の懸賞金がかけられている。
このような懸賞金の場合、どの程度の額だと税金がかかるのだろうか。また、どれくらいの税金がかかるのだろうか。田邊美佳税理士に聞いた。
「給料泥棒」と呼ばれ、正社員から業務委託へ 生活苦の労働者「偽装請負」で提訴
布団販売などを手がける「丸八ホールディングス」(横浜市)の子会社が偽装請負を行い、多額の経費負担を長期にわたり押し付けてきたとして、元従業員16人が6月25日、同社などを相手取り、1億7800万円あまりの損害賠償を求める訴えをさいたま地裁に起こした。