この事例の依頼主
30代 女性
相談前の状況
夫が妻である相談者様と子どもを残して出て家を行ってしまって別居に至り、7年後に、長期間別居による婚姻関係破綻を理由に離婚訴訟を起こしてきた夫は、別居期間中、生活費はそれなりに払ってきていました。しかし、離婚訴訟に至るや、婚姻費用の大幅減額の調停も申し立ててきており、相談者様は経済的に極めて苦しい状況となられました。離婚訴訟を提訴された段階で、ご相談をお受けしました。
解決への流れ
なんとか婚姻費用については、調停でぎりぎりのところで話をまとめ、離婚訴訟に注力しました。細かいところまでお話をお伺いし、可能な限り当時の証拠資料を集めていただき、別居期間中も夫から通信関係の依頼がある等それなりの関係があったとして婚姻関係の破綻がないと主張しつつ、仮に破綻があったとしても、それは夫による悪意の遺棄によるものであって、子どもさんが未だ小さい本件で離婚は認められない旨を主張立証しました。その後、離婚はしない前提で訴訟が進みそうであったのですが、相談者様がご友人等に相談をしたところ、全員が全員から、そんな人(夫)とは早く離婚したほうがいい、と助言を受けたとのことで、慰謝料と養育費をしっかりもらう形での和解に方向を切り替えたいと希望されるに至りました。それを受け、裁判所にその旨を裁判所に伝え、納得のいく形の和解離婚となりました。
この件も、相談者様のお話をじっくりお伺いし、それを踏まえた訴訟活動ができたことが、良い結果につながったと思います。当初、ご相談者様は絶対に離婚には応じたくないというお気持ちが強く、このため、それを前提に訴訟活動を進めておりました。それを訴訟に反映でき、離婚に応じても経済的に成り立つ状況を作ることができていたことが、お気持ちの余裕にも繋がったと思います。離婚事件では、夫婦間の様々な葛藤がありますし、当事者間のみの話し合いでは、正当な権利を確保することが難しい場合が多いと思います。訴訟からお受けしたお話でしたが、この間に、お気持ちが整理でき、再出発のお手伝いができたことは本当に良かったと思います。