犯罪・刑事事件の解決事例
#財産目録・調査 . #遺産分割 . #相続人調査 . #遺言

遺言無効確認調停事件の中で、実質的には公正証書遺言が無効とされたのと同内容の調停成立!

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石山 晃成 弁護士が解決
所属事務所石山法律事務所
所在地神奈川県 横浜市中区

この事例の依頼主

年齢・性別 非公開

相談前の状況

他の相続人(相手方)より、突然、被相続人の公正証書遺言により、被相続人の全遺産を相続したと主張されてしまった事案です。しかし、依頼者によると、遺言公正証書作成日のころは、被相続人は認知症の状態であったとのことでした。また、被相続人は、遺言公正証書よりも古い日付ではありましたが、自筆証書遺言も作成していました。封がされており、自筆証書遺言の内容が分からなかったので、まずは、遺言検認申立事件としてご依頼を受け、その後の自筆証書遺言の内容と遺言公正証書作成日のころの被相続人の遺言能力(認知症かどうか等)に関する資料の入手次第で、遺言無効確認調停ないし訴訟を提起するという方針を決めました。

解決への流れ

家庭裁判所における自筆証書遺言の検認期日において、同遺言書の内容が判明し、遺言公正証書とは異なり、依頼者と相手方に対等に相続させる、という内容でした。被相続人は、このような自筆証書遺言を作成した後、認知症となり、相手方に有利な遺言公正証書を作成させられた可能性が極めて高いこと、ただ、相手方も親族であるため、話し合いの余地があることから、訴訟ではなく、遺言無効確認調停を申し立てました。遺言公正証書作成日のころには被相続人は認知症になっていたことを裏付ける資料を入手し、それも調停委員に強調しました。その結果、公正証書遺言ではなく、自筆証書遺言に記載された内容で相続したのと同様の内容の調停が成立しました。

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石山 晃成 弁護士からのコメント

複数の遺言書がある場合には新しい遺言書が被相続人の最後の意思として有効となりますし、一般的には、公証人が遺言者の状態を確認して作成する遺言公正証書は無効となることが非常に少ないと言えます。したがって、本件は形式的に見たらとても不利な事案でした。しかし、遺言公正証書が無効とされた判例もありますし、本件は、遺言公正証書の内容、作成経緯、被相続人死亡後の経過など、不自然、不合理な事情が多数ありましたので、徹底的に遺言公正証書の無効を主張するつもりで進めていきました。自筆証書遺言書に同封されていた覚書の内容も、依頼者の主張が正しいことを裏付けるような内容でしたし、遺言公正証書作成当時被相続人が認知症であったことを裏付ける資料を入手できたこともあって、遺言公正証書の内容ではなく、自筆証書遺言に記載されていた内容で相続したのと同様の調停を成立させることができました。依頼者からは大変感謝され、本当に良かったと思います。