この事例の依頼主
40代 男性
相談前の状況
母が多額の遺産を残して亡くなり,その相続人は私と父です。ところが,父の判断能力が低下していることから,このままでは相続手続を行うことができません。どのように対応したらよいのでしょうか。
解決への流れ
遺産分割協議のような専門的な事項が絡むので,私は,私のために弁護士を選任しておきたいと思っていました。その希望からすると,依頼した弁護士には父についての成年後見開始の申立てをしてもらって家庭裁判所に第三者の弁護士を選任したもらった上で,その弁護士と私の依頼した弁護士との間で遺産分割協議をしてもらうのがよいと分かり,そのように手続を進めてもらいました。
遺産分割協議などのために成年後見開始の申立てなどが必要となるケースもあります。もっとも,相談した弁護士自身に成年後見人に就任してしまうとその弁護士は相談者の味方という立場で活動することが許されなくなります。また,本件では,そのご相談者の方のお父様も亡くなられ,その方の相続手続をもともと相談した弁護士が行うことができたのですが,それができたのも,もともと相談した弁護士が成年後見人に就任してもらわなかったことによります。